引越しは単に荷物を移動して終わりではありません。住所変更を主とした各所への手続きが必要となります。今回は、引越しの際に必要とされる一般的な手続きについてご紹介します。手続きの中には、転出前にあらかじめ済ませておかなければいけないものもあるのです。引越し直前になって慌てることのないよう、ぜひこの記事を参考になさってください。
賃貸住宅の解約手続き
退去の時期にめどがついたら、まずは速やかに今住んでいる住宅の賃貸解約、退去通知をします。連絡先は家主か管理会社で、原則的には一ヶ月前までに連絡をすれば問題ありません。しかし、契約内容によっては解約の予告時期について、入居時に交わした「賃貸契約書」に記載されている場合もあります。必ず賃貸契約書に目を通しましょう。
契約期間満了のタイミングで退去する場合にも、賃貸解約通知書や退去届の提出が必要です。もし、通知期間までに退去の連絡が間に合わなかった場合、通知期間までの家賃を支払わなければなりません。旧住所と新住所で二重に家賃を支払うことにならないよう、忘れずに契約書の確認を行いましょう。
役所関係の手続き
引越しに伴う手続きとして、真っ先に役所での手続きを思い浮かべる方も多いかと思います。今お住まいの自治体と異なる市町村へ引越す場合、役所の管轄が異なるためいくつかの手続きが必要です。役所で行う手続きには複数あり、どれも安心して暮らしていくために重要なものばかりです。何度も役所に赴く必要がないようしっかり備えた上で、時間に余裕を持っていきましょう。
まず、引越し前の自治体の戸籍課で「転出届」を出す必要があります。新住所を把握した上で、転出の2週間前から当日までの間に身分証明書を持参して手続きを行いましょう。転出届が無事に受理されると「転出証明書」が発行されます。これは転入した自治体での手続きで必要となりますので、引越しの最中に紛失しないよう注意しましょう。
転入先の役所で行う基本的な手続きは以下の通りです。
- 転入届
- 印鑑登録
- 年金関係
- 国民健康保険
- 乳児医療
- 児童手当
- 老人医療
これらの手続きは引越し後、新居へ入居してから2週間以内に行う必要があります。引越し前の役所で受け取った転出証明書と印鑑を忘れずに持参しましょう。なお、同じ自治体内での引越しの場合は「転居届」の提出のみで構いません。
お子さんがいるご家庭
お子さんがいるご家庭では、転校の手続きが必要になる場合があります。役所で転入届の手続きが済んだら、教育委員会で「転入学通知書」を受け取りましょう。これを転入予定の学校へ、「在学証明書」や「教科用図書給与証明書」と共に提出します。これらの手続き方法は、学校が公立か私立か、また地域によっても異なります。詳細は転入予定の役所で確認してみてください。
ペットがいるご家庭
ペットがいる場合は保健所への届け出も必要です。引越しから1ヶ月以内に印鑑、狂犬病予防接種所、旧鑑札を持参して手続きを行いましょう。
その他の手続き
郵便物の転送手続き
郵便局へ「転居届」を出しておくと、一年間無料で新住所に転送してくれます。転居届用紙は全国どこの郵便局でも配布、受け付けしています。一度に家族6人分まで記入して登録でき、転送開始日の指定も可能です。引越し前でも手続きができるため、気づいたときに済ませておきましょう。
転居届は基本的に窓口で手続きを行います。印鑑と、本人確認ができる身分証が必要となりますので忘れないように持参します。なお、窓口に赴くことが難しい場合は、ポストへの転居届の投函かインターネットでの申し込みが可能です。投函で手続きをする場合でも切手は不要なため、どの方法でも無料で手続きを行えます。ただし、窓口以外で手続きした場合は、郵便局員による現地訪問や居住の事実確認、旧住所宛てに確認書類の送付が行われます。
郵便物については転送期間が過ぎても慌てないよう、引越しした段階で個人的にご友人や知人への引越しのお知らせを出しておくことをおすすめします。とはいえ、普段手紙を書く習慣がなく、手紙のやりとりは年賀状だけという人もいらっしゃるかもしれません。転送期間の一年を過ぎるとそれ以降は郵便物が転送されなくなり、差出人に郵便物が返還されてしまうため注意しましょう。
光熱関係の手続き
生活をしていく上で必要な電気、ガス、水道、インターネット、固定電話ですが、これらの住所変更はそれぞれ自分で行う必要があります。引越し後スムーズに使用できるよう、チェックリストを作って手続き方法をまとめておきましょう。
これらの手続きについては、支払明細書や請求書などに管理会社の連絡先が記載してあるので、わからなければ電話で問い合わせをします。大抵の業者はホームページ上で手続きを受け付けているため、平日日中の営業時間内に電話をかけることが難しい方は確認してみるとよいでしょう。中でも固定電話の移設手続きは、引越しシーズンである年度末に集中します。非常に混み合って手続きの処理に日数がかかるため、日程に余裕を持って済ませておくことをおすすめします。
なお、ガスに関しては住所変更だけでなく、旧住所の閉栓作業と新住所の開栓作業も必要です。退去当日まで、そして入居当日からガスが不自由なく使えるよう、旧住所のガス会社と新住所のガス会社にそれぞれ手配しておきましょう。
NHKや金融機関の手続き
NHKへの住所変更手続きも必要です。結婚に伴う引越しの場合や、一人暮らしをやめて実家に帰る場合など、二つの世帯が一つになる「世帯同居の手続き」が必要になります。この手続きを行うことによって、それぞれの世帯で支払っていたNHK料金を一つにまとめられるのです。なお、この手続きで未払い・過払い分の受信料が清算されることもあります。引越し業者によってはNHK放送受信契約手続きを代行しているところもあるため、少しでも手間を省きたい方は引越し業者に訊ねてみましょう。
金融機関やクレジットカード、保険会社への手続きも必要です。複数社の口座やカードを持っている人は、漏れがないようにリスト化しておくと安心です。なお、今まで地方銀行を利用していた方で遠方に引越す方は、場合によっては口座の解約も考えるかと思います。今後の生活スタイルを考えながら、慎重に検討しましょう。
まとめ
今回は、引越しの際に必要な手続きについてご紹介しました。参考になったでしょうか。「楽々荷造り引越しサービス」では荷物の移動だけでなく、荷造り荷解きの代行もしております。お忙しい皆さんからは労力や時間が省けると大変ご好評いただいており、その分、本記事内でご紹介した手続きの数々に集中していただけるかと思います。お客様それぞれのご事情にも柔軟に対応いたしますので、引越しのご予定がある方はぜひ一度ご相談ください。